このように」を英語でどう言う?ビジネスや論文で差がつく使い分け完全版
日本語で頻繁に使われる「このように」というフレーズ。プレゼンテーションのまとめ、ビジネスメールの結び、学術論文の考察など、日常のあらゆるコミュニケーションで論理を整理する重要な役割を果たしています。しかし、英語に翻訳しようとした瞬間、「like this でいいのか?」「論文では thus や therefore をどう使い分けるべきか?」と手が止まってしまった経験を持つ方は少なくありません。
英語は日本語以上に「フォーマリティの度合い(レジスター)」と「論理的接続の厳密さ」を重視する言語です。カジュアルな日常会話で使われる表現をビジネス文書や学術論文に持ち込むと、意図せず稚拙な印象を与えてしまうリスクがあります。本稿では、主要な英語表現のニュアンスの違いから文法上の落とし穴、実践的な言い換えテクニックまで、現場の知見をもとに徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「like this」は口頭や具体例の提示に限定し、ビジネスや論文の文頭では「in this way」「thus」に切り替えるのが鉄則。
- 要点2:学術論文・公式文書では「thus(方法・結果)」と「therefore(因果関係の結論)」の論理的役割を明確に区別する。
- 要点3:接続副詞(thus, therefore, hence)を使用する際は、セミコロンやカンマを用いた正しい句読法(パンクチュエーション)の遵守が必須。
【場面別一覧】「このように」の英語表現とニュアンスの違い
「このように」を英語で何と言うか迷った際、最も大切なのは「方法(どうやって)」を示しているのか、それとも「結果・帰結(したがって)」を導いているのかを見極めることです。日常会話、プレゼン、ビジネスメール、学術論文にいたるまで、状況に応じた最適な選択肢を整理しました。
| 英語表現 | フォーマル度・品詞 | 主なニュアンスと意味合い | 推奨される利用シーン |
|---|---|---|---|
| like this | カジュアル(前置詞句) | 「こんな風に」「これのように」と物理的・視覚的に示す | 日常会話、口頭での操作説明、カジュアルなチャット |
| in this way | 標準〜フォーマル(副詞句) | 「この方法・手段によって」。プロセスを総括する | ビジネスメール、プレゼンテーション、業務報告書 |
| thus | 極めてフォーマル(接続副詞) | 「それゆえに」「このようにして」。論理的な結果・様態 | 学術論文、技術レポート、公式契約書、白書 |
| therefore | フォーマル(接続副詞) | 「したがって」「その結果として」。強い論理的因果関係 | 論文の考察、ビジネス提案書の結論、意思決定の根拠 |
| as described above | フォーマル(慣用表現) | 「前述のとおり」「上記のように」。既出事項の参照 | 仕様書、マニュアル、メールでの確認事項 |

論文・学術レポートで必須!「thus」「therefore」の論理的使い分け
学術論文や専門性の高いレポートにおいて、「このように」を表現する際の主役となるのが thus と therefore です。国際的な英文学術誌の校正データや査読者の指摘でも、これら接続表現の混同は頻出の修正項目として挙げられます。
thus は古風かつ極めて格調の高い副詞で、主に2つの働きを持ちます。1つは「このような方法で(in this way)」、もう1つは「それゆえに(consequently)」です。実験手順や数式変形の帰結として「このようにして値が得られた」と述べる文脈では、thus が最も自然に機能します。
一方で therefore は、純粋な論理的必然性(前提条件Aゆえに必然的に結果Bが導かれる)を示す際に用いられます。論文のディスカッション(考察)セクションで仮説を検証し、確定的な結論を提示する場面では therefore が最適です。
文頭で使用する場合、Thus, [主語] + [動詞]... や Therefore, [主語] + [動詞]... のように直後にカンマを置くのが標準的な学術ライティングの作法です。また、文中に挿入して The model thus provides... のように主語と動詞の間に挟むことで、文章のリズムを整える手法も広く採用されています。
ビジネスメール・プレゼンで信頼を勝ち取る「in this way」「as described」
ビジネスの現場では、論文ほど硬すぎず、かつ知性的で明瞭なトーンが求められます。ここで最も汎用性が高いのが in this way です。
例えば、業務プロセスの改善案を提示した後に「このようにしてコストを20%削減できます」と伝える場合、In this way, we can reduce operational costs by 20%. と表現することで、手段とメリットのつながりが明確になります。
また、ビジネスメールで前段の背景説明を受けて結論へ繋げる際には、以下のような言い換え表現が好まれます。
- As stated above / As mentioned above: 「上記のように」と前述の内容をシンプルに指し示す表現。
- In light of this: 「このような状況を考慮して」「これを受けて」という前向きな意思決定を伝える表現。
- With this approach: 「このアプローチを採用することで」と提案性を強調する表現。
スピーチやプレゼンテーションの壇上では、スライドの要約を述べる際に As you can see here...(こちらのスライドでご覧いただけるように)や To put it this way...(このように言い換えますと)といった口頭専用のフレーズを織り交ぜると、聴衆の集中力を効果的に引きつけることができます。

【実態検証】現場で多発する「like this」文頭乱用問題とネイティブの違和感
日本の英語学習者やビジネスパーソンのライティングで最も多く見られるミスのひとつが、文頭に「Like this,」を置いてしまうケースです。
大手英文校正機関のフィードバックや実務翻訳の現場データによると、初級〜中級者のビジネス文書において、接続詞代わりに文頭で「Like this, we achieved our sales target.」と書く事例が目立ちます。しかし、英語ネイティブスピーカーの感覚では、文頭の「Like this」は「(手振り身振りを交えながら)こんな風にやってね」という身体的・実演的な指示を連想させます。
公式な文書やメールの文頭で「Like this,」から始めると、非常に口語的でくだけた印象を与え、論理的な接続詞としては機能しません。抽象的な概念や前述のロジックを総括して「このように」と言いたい場合は、必ず In this way, や By doing so,(そうすることによって)への言い換えが必要です。
一般に知られていない盲点と文法上の落とし穴|接続詞と副詞の混同
「thus」「therefore」「hence」などを使いこなす上で、多くの人が見落としがちなのが文法上の品詞分類です。これらは「接続詞(conjunction)」ではなく、「接続副詞(conjunctive adverb)」に分類されます。
「and」や「but」のような等位接続詞とは異なり、接続副詞には2つの独立した節(S+V)を直接つなぎ止める文法的な力はありません。したがって、以下のような英文は文法的に誤り(カンマ・スプライス)となります。
❌ 誤り:The market demand decreased, therefore the company reduced production.
⭕ 正しい(ピリオドで区切る):The market demand decreased. Therefore, the company reduced production.
⭕ 正しい(セミコロンを使用):The market demand decreased; therefore, the company reduced production.
セミコロン(;)を使用することで2つの節を論理的に結びつけつつ、副詞として therefore を機能させるのが、洗練された英文ライティングにおける標準ルールです。

【プロの結論】コンテクストに応じた最適な英語表現の選び方
言語社会学およびビジネスコミュニケーションの観点から見ると、言葉選びはその場の「関係性の距離感」と「文脈の重要度」を正確に測るバロメーターです。適切な表現を選ぶための判断基準は以下の通りです。
- 対面でのチュートリアルやカジュアルな会話:直感的に伝わる「like this」「like so」を活用する。
- 社内・社外のビジネスメールや提案書:論理の道筋を明快に示す「in this way」「by doing so」「accordingly」を選択する。
- 論文・技術仕様書・公式レポート:文脈に応じて「thus(方法・結果の総括)」と「therefore(論理的帰結)」を厳密に使い分ける。
単一の訳語に頼るのではなく、自分が伝えたい「このように」が手段なのか、根拠なのか、それとも既出情報の参照なのかを意識することで、英文全体の説得力とプロフェッショナリズムは劇的に向上します。
【この よう に 英語】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:文頭で「Like this,」とカンマを打って書き始めるのは失礼ですか?
A1:失礼とまでは言えませんが、ビジネスや論文などのフォーマルな場では非常に不自然で幼稚な印象を与えます。メールや文書では「In this way,」や「By doing so,」を使用するのが適切です。
Q2:「thus」と「therefore」の最も簡単な見分け方は何ですか?
A2:「このようにして(手段・プロセス)」と言い換えられる場合は「thus」、「それゆえに・したがって(論理的結論)」と言い換えられる場合は「therefore」を選ぶと間違いがありません。
Q3:プレゼンテーションのスピーチで「このように」と要約したいときは何と言えば良いですか?
A3:スライドのまとめに入る際は「As you can see,(ご覧の通り)」や「In summary,(要約すると)」、「This shows that...(このことから〜が分かります)」といったフレーズが非常にスムーズです。
まとめ:場面に応じた適切な英語表現で説得力を最大化する
日本語の「このように」は非常に多機能で便利な言葉ですが、英語ではそのニュアンスや論理構造に応じて多種多様な表現が用意されています。口頭での「like this」、ビジネス実務での「in this way」、学術領域での「thus」や「therefore」など、文脈に応じた適切なトーン&マナーを選択することが、グローバルな発信における最大の強みとなります。本稿で解説した基準と文法ルールを指針として、より正確で説得力のある英文作成に役立ててください。 (出典: この よう に 英語(Yahoo!ニュース))